伝動用チェーンの選定
	
搬送用チェーンの選定
以下の計算式によって、搬送用の代表的な輸送条件における一般的なチェーンの選定を行えます。
	
	
	
		選定に必要な伝動条件
a=伝動しようとする能力(Kw)
b=駆動軸及び従動軸の回転数(rpm)と軸径
c=両軸の中心距離(㎜)
	
a=伝動しようとする能力(Kw)
b=駆動軸及び従動軸の回転数(rpm)と軸径
c=両軸の中心距離(㎜)
- 使用係数の選定
 
 下記表により負荷の種類と一日の使用時間から使用係数を選定します。負荷の種類 1日の使用時間 10時間 24時間 平滑な負荷 1.0 1.2 多少の衝撃を伴う負荷 1.2 1.4 大きな衝撃を伴う負荷 1.4 1.7 
 
- 補正値の決定
 \(\mbox{補正値}=\mbox{伝動能力}\times\mbox{使用係数}\)
- 伝動の選定
 高速軸(減速の場合は駆動軸、増速の場合は従動軸)の回転数(rpm)と補正値数(Kw)とによって簡易選定表から使用チェーンと小スプロケットの作用歯数を求めます。
 この選定表には2040では作用歯数9、11、15、25枚の4種類、2050、2060、2080では作用歯数9、17、25枚の3種類について図表化してあります。
 その他の作用歯数については推測のうえで選定して下さい。
 ※作用歯数とは、スプロケットが1回転する間にダブルピッチローラチェーンのローラとかみ合う歯数のことで、整数の場合と分数の場合があります。
 例 : 総歯数33枚の作用歯数は\(16\frac{1}{2}\)です。
  潤滑形式 潤滑形式
 I. 手差し又は滴下給油
 II. 油浴潤滑又は回転板による潤滑
 III. 強制ポンプ潤滑
 
 潤滑形式の詳細についてはローラチェーンの潤滑方法を参照願います。
 
 
- 
		非常に低速な場合
 チェーン長さ50ピッチ以上でチェーン速度30m/min以下では、チェーンに掛かる張力は平均引張強さの\(\frac{1}{8}\)にします。
 オフセットリンク、継手リンクを含む場合は\(\frac{1}{12}\)にして下さい。
 
- 
		オフセットリンクについて
 選定されたチェーンの長さが奇数リンクになると、オフセットリンクを使用しなければなりません。
 強度の面からも、オフセットリンクの使用は出来るだけ避けて、偶数リンクでの使用を推奨します。
 
搬送用チェーンの選定
以下の計算式によって、搬送用の代表的な輸送条件における一般的なチェーンの選定を行えます。
	T=チェーンに掛かる最大張力(kgf)
Q=最大輸送量(t/h)
V=輸送速度(m/min)
H=スプロケットの垂直中心距離(m)
L=スプロケットの水平中心距離(m)
C=スプロケットの中心距離(m)
W=運行部の重量(kgf/m)
(チェーン、バケット、エプロンなどを含む)
Q=最大輸送量(t/h)
V=輸送速度(m/min)
H=スプロケットの垂直中心距離(m)
L=スプロケットの水平中心距離(m)
C=スプロケットの中心距離(m)
W=運行部の重量(kgf/m)
(チェーン、バケット、エプロンなどを含む)
	ω=輸送物単位長さ当りの質量(kgf/m)
	
(別表参照)
μ2=輸送物と底板、側板との摩擦係数
(別表参照)
※接触しない場合μ1=μ2
	
\(\omega=16.7\cfrac{Q}{V}\)
	μ1=チェーンとガイドレールとの摩擦係数(別表参照)
μ2=輸送物と底板、側板との摩擦係数
(別表参照)
※接触しない場合μ1=μ2
μ1の場合
		
		
| 接触状態 | 乾燥 | 潤滑 | 
|---|---|---|
| 滑り | 0.30 - 0.35 | 0.20 - 0.25 | 
| 転がり | 0.20 - 0.25 | 0.15 - 0.20 | 
			チェーンの速度が極めて低速の場合には大きい方の値をお使い下さい。
		
	μ2の場合(参考値)
		
		
		
	
| 輸送物 | μ2 | 
|---|---|
| 石炭 | 0.30 - 0.60 | 
| コークス | 0.35 - 0.70 | 
| ぬれた灰 | 0.55 - 0.65 | 
| 乾燥した砂 | 0.60 - 0.90 | 
| 石灰岩 | 0.35 - 0.55 | 
| 粘土(クレイ) | 0.60 - 0.70 | 
| 木材チップ | 0.25 - 0.35 | 
| 穀物 | 0.30 - 0.40 | 
- チェーンの張力(T)を求める
 
 傾斜コンベヤの場合(図A)
 \(T=\omega \left(H+\mu _2L\right)+W\left(H+\mu _1L\right)+1.1W\left(\mu _1L-H\right)\)
 注 : 第三項の\(\left(\mu _1L-H\right) < 0\)の場合はこの項を省略できます。
 水平コンベヤの場合(図B)
 \(T=\left(\omega +2.1W\right)\mu _1C\)
 垂直コンベヤの場合(図C)
 \(T=\left(\omega +W\right)C\)
 注 : バケットエレベータでは、すくい込みに要する衝撃荷重を考慮して、中心距離Cに次の値を加えます。
 連続式バケットエレベータ 1.5m
 間隔式バケットエレベータ 3.0m
 
 
- チェーンの引張強さ(S)を求める
 
 チェーンの最大張力(T)が、チェーンの引張強さ(S)を左記表の安全率(f)
 で割って算出された値より小さくなるようにすると、最小のS値を求めることが可能です。
 即ち… \(T < \cfrac{S}{f}\hspace{6pt}(kgf)\)
 
 チェーンがオフセットリンク、継手リンクを含む場合には12となります。チェーンの速度 
 (m/min)安全率 
 (f)<15 7* 15 - 30 8* 30 - 45 10* 45 - 60 15 60 - 75 20 
 
 
- 
		小形ローラシリーズ
 
 - 垂直コンベヤの場合に主として使われます。
- 水平、垂直コンベヤの場合の留意点を以下に記載します。
 - 輸送距離が短く低速で軽い搬送物を運搬すること。
- それほど長寿命を望まないこと。
 
- レール上の平面にプレートを滑らせる方法とローラを転がす方法があります。但しローラを転がす方法ではローラが小さいため、回転が悪く滑りによる磨耗が大きいため好ましくありません。
 
- 
		大形ローラシリーズ
 
 - 水平、傾斜コンベヤの場合、転がり磨耗のみで移動しますので、無理がなく効率、寿命ともに効果が充分です。
- ローラはプレートより出ているために、レール上を転がす方法となります。
 
 
					


 


